
「ビル施設の設備を保全し、管理する」という響きには、「支える」という意味合いから、保守的なイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、私たちの仕事、事業はその観点で趣を異としています。
私たちの最大の強みは、百貨店売上高No.1、No.2を誇る伊勢丹新宿店と三越日本橋本店をはじめ、全国の三越伊勢丹グループの各店にご来店されるお客さまから色々なご意見・ご要望を「お客さまの声」を通じて聴くことができることです。
その結果、「お客さま起点」またはそこで働く「従業員起点」に立つことで、「高い顧客満足」「従業員の働きがい、業務負担の軽減」を可能にする施策を検討、構築できます。
伊勢丹や三越にご来店いただくお客さまの視点は、常に高いレベルにありますから、私たちとしては「情報の質、情報の量」において圧倒的な優位性を持つことになるのです。
この「お客さまの声」をもとに、より「安全・安心で快適な店舗環境」を構築する仕組みを創造するのが私たちの仕事であり、使命・役割です。
LCC(ライフ・サイクル・コスト)を見据えたCM(コンストラクション・マネジメント)/工事監理業務とBM(ビル・マネジメント)のPDCAサイクルを「長期修繕計画」と、お客さま起点で構築した「業務仕様書」に基づき、各専門分野における日本を代表する取組先の皆さまと共に展開しています。

大変ありがたいことに取組先企業は、日本または世界を代表する各専門分野に秀でた会社です。そこで私たちの役割で重要なのは、「お客さまの声」に込められたお客さまの「期待」に応えられる施策の構築力と、取組先と共に実行・継続できるマネジメント力であると考えています。
その一つの事例が伊勢丹新宿店メンズ館のリモデルです。お客さまと接する営業の仲間の求める店舗環境を店舗デザイナー、施工取組先に伝え、お客さまが「わくわく」「楽しく」お買い物をして頂ける「一歩先行くお買場」を、リモデルを通して提供してきました。
長期修繕計画の策定もその一例と言えます。伊勢丹・三越の建物内のエスカレーターやエレベーター、設備機器など、メーカー等で設定した交換時期で作成すれば、一般的な長期修繕計画は作成できます。しかし私たちは、来店客数、使用頻度および故障履歴等から当社ならではのLCCを算出し、長期修繕計画を策定することで一歩先行く提案を取組先にしています。
そして、三越伊勢丹グループの各社から寄せられる「期待感」と「信頼感」に応えられるよう、管理・運営コストの定量分析を通した「業務とコスト」のバランスを図った業務仕様の構築によるサービスの提供や、ビルメンテコスト(修理費・光熱費・通信費等)の使用実績分析による環境対策(CO2削減)などにも取り組んでいます。
また、マネジメントはシステム・仕組みに依存したものだけではありません。トイレの清掃セクションでは、「機器による臭いの測定には限界がある」という視点で、「人の臭覚」によるレベルチェックを行い、清掃時の評価に反映させるという仕組みも構築しています。
私たちは、三越伊勢丹グループのビルマネジメント会社として、常に“Yes”の発想を持ち、「お客さまの声」に真摯に耳を傾け、問題の発生している現場で全員が考え、新しい施策を創造する姿勢を貫いています。
そして「三越伊勢丹らしさ」にこだわります。“らしさ”は、一歩先行くシステムを活用した業務ノウハウと共に、働く一人ひとりの仕事に取り組む「お客さま起点」の姿勢の継続から生まれると信じています。
私たちの事業は、百貨店の舞台裏を支え、「創造」し、実現することです。

「百貨店という商業施設を主としたビルマネジメント」というのは、日本もしくは世界でも数少ないビジネス領域であると思います。百貨店ビジネスが長い歴史の中で確立されてきたものであるのに対し、私たちの担う百貨店ビルマネジメントは、まだ発展途上の段階にあるといえます。
三越伊勢丹グループ店舗にお越し下さる「お客さまの声」、そして各取組先や様々な業界から頂くご提案、それらの情報をいかに吸収し「ビルマネジメント」というものを「進化・創造」させて行くのか。これは会社にとっても、社員一人ひとりにとっても大変やりがいのある創造性に満ちた仕事です。
私たちの事業領域は、百貨店に留まるものではありません。過去の歴史を紐解くと、百貨店は「街」「地域」と共に成長してきました。受託している店舗の隣接商業施設のCM/BM事業参入に向けた事前事業化準備施策の検討を今後は予定しており、「地域の活性化」「街づくり」へも貢献していきたいと考えています。
こうした会社としてのビジョンと同様に、これからの若い世代の方々には、個人としての仕事ビジョンを明確に持ってもらいたいと思っています。3年後、5年後の自分を明確にイメージすることで成長のスピードも変わります。会社のビジョンを理解し、その中で自分の活躍できるステージをイメージする。そのためには、何年後までには何を吸収・取得しなければならないか。これほど明確な成長の地図はないでしょう。
その中で大切にしてもらいたいことが2つあります。ひとつは「現場に足を運ぶ」こと。知識の吸収は大事ですが、頭でっかちでは本当の仕事はできません。お客さまやお買場の仲間たちが求めているものを対話することから察知し、本当に必要なものを得るのです。そこから得られることは仕事の視点だけではありません。お客さまや仲間からの「ありがとう」や「共感」、それは「誰かのために役に立っている」という自分自身の実感となって返ってきます。現場に出て、対話することは自分自身のモチベーションを支えることにもつながっているのです。
もうひとつの大切にしてほしいことは「視野の広さとモノサシ」です。日々の業務上の対話はもちろんですが、社会、業界の動き、お取組先や先輩・上司の言葉など、関心の幅を持って臨んでほしい。先輩の過去の仕事や大きなプロジェクトも、すべてが「成功談」ではありません。しかし、その中に大きなヒントが隠れているのです。自分のモノサシをしっかり持って、情報の取捨選択や尺度を測ることが新しいものをつくるには大切です。
そう考えると、仕事にも自分自身の成長にも、必要なのは、「人」であることに気がつくはずです。私たちの仕事は直接「接客」をする仕事ではありませんが、「人」に触れ、「人」にとって何が求められているかを考え抜き、実現し、心からの「ありがとう」と言われるために頑張る仕事です。心からの「ありがとう」という言葉を頂くには並大抵の努力では及びません。日々の絶え間ない取り組みから、その言葉を自ら掴み取ってほしいと思っています。会社と共に成長していきましょう。
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